人それぞれ性格も環境も違い、そのパターンの多様さといえば、十人十色という言葉以上に様々です。
例えば、交際する、結婚するというリレーションシップを結ぶ相手の選び方だって、あなたに合う相手が、他の誰にでも合うわけではないように、トレードスタイルも一人一人の個性に合わせて違って当然なのです。
なぜ恋愛や結婚の話に結び付けるのかといいますと、トレードと自分の間には一切誰も入り込まないからです。
一対一の人生のパートナーとして添い遂げてゆくのがトレードです。
その観点に立って、自分に合うトレードスタイルを診断しましょう。
目次
トレードスタイル診断法
トレーディングには、大きく分けて3タイプの取引形態があります。
スイング・トレード
日をまたぐ、週、月、年スパンででポジションを保有するスタイルのトレーダーをスイングトレーダーと呼ぶ。
デイ・トレード
数十分からその日のうちに決済をするスタイル。デイトレーダー。
スキャルピング・トレード
デイトレードに包括されるが、数十秒から長くても数分で決済をするスタイル。スキャルパー。
上記3タイプ単体だけでなく、下記のように複合スタイルもありますので、実際は7スタイルあるといえます。
スキャル&デイトレ
デイトレ&スイング
スキャル&スイング
スキャル&デイトレ&スイング
本人がスキャルパーになりたいと考えていても、実はスイングの方が得意だとか、その逆だとか、希望と現実が一致しないことがあります。
トレードをやろうと思う目的は、誰も皆同じ、利益を上げること以外にありません。
ということは、勝てなければ意味がないので、希望より現実を受け止めるべきでしょう。
でも、「自分の適性が分からない!」という方がほとんどかと思います。
そこでひとつ、簡単な指針をお教えしましょう。
チャートから目が離せない人がスイングなどやったら、人生台無しになりますが、ポジションを持っても他の作業が出来る人は、オールマイティにいけるはずです。
「ポジションを持っていても他の事に気が行ってしまうなら、スキャルは無理なんじゃ?」とご懸念の方もいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。
他の事をやる前に決済すればいいだけですから、やりたいことの為に躊躇なく利確も損切りも出来ることでしょう。

これはかなり大雑把な適性判断ですので、さらに詰めてゆくには、もっと複雑なデータが必要になってきます。
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どの時間足で判断するのが得意か?
取引する時間帯(アジア、欧州、NY等)は?
得意な通貨ペア(単体か複数通貨ペア監視か?)は?
PC派か、スマホ派か?
漠然とトレードをして、勝った負けたをやっているだけでは、何の進歩もありません。
状況を細分化して、データ収集をしてください。
そうすると、自分に合ったトレードスタイルが、あぶり出されてくるはずです。



手法&インジケーターの選び方
実際これは、本人がそれを採用して成功する(常勝トレーダーになる)という結果を見るまでは、誰にも判断が出来ないことですが、
トレードは80%がメンタルに依存する作業ですので、極端に言えば、手法は優位性が高ければ何でもOKなのです。
ピンと来たもので、良いと思います。



現在すでに、特定の手法やインジケーターをお使いの方で、いつまでも勝ち切れない状態なら、「本当にこれでいいのか?」と疑問を持ってみてください。
ただし、ほんの一週間や一ヶ月その手法を使っただけで、合う合わないを判断してはいけません。
これだと決めた手法は、最低でも1年は勉強することです。
- 他に例えますと、オートレースの世界。
車でもバイクでも、可動テストを一度もやったことがないマシンに乗っていきなりレースに出場しませんよね?
数多くのテスト(検証)を繰り返して、やっと安全性と性能の確認ができ、またそれを乗りこなす為の練習が必要になります。
いきなり、リアルトレードから始める初心者は、免許も取らずに信頼性のないマシンに乗って、サーキットに出たも同然ですので、すぐに大けがをすることになります。
少なくとも1年は、その手法だけで検証作業とデモトレードを行って、年を通した相場の世界を知って欲しいと思います。
言わば、トレーダーにとってのサーキットコースは、日々の相場模様です。
1年でコース一周と考えてください。
1年の間の相場の動き方や特徴、様々なイベントや大事件を、同じマシン(手法)を通して体験することが肝要なのです。
ちょっと上手くいかないからといって、すぐに手法やインジケーターを変えてしまったら、見え方が変わってしまい、また一からやり直しです。
今、何を見ているのかすら分からなくなってしまいます。
そしてなにより、相場は縦軸(価格・レート)を基準に構成されていますので、縦軸を一番に意識すること。
横軸(時間・波)は、トレードを繊細にするための補助です。
さあ、あなたが縦軸をハッキリと認識出来る基準は何ですか?
補助としての横軸を意識しやすい基準は何ですか?
その観点で、手法やインジケーターを選んでみてください。






専業トレーダー or 兼業トレーダー
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専業トレーダーとは、字のごとく、トレードのみで生計を立てているトレーダーです。
兼業トレーダーとは、他の仕事を持ちつつ、トレードを行っているトレーダーです。
トレードスタイルや手法より、「専業を目指すか? 副業としてやっていきたいか?」という選択が、真っ先にあったのではないでしょうか?
一番簡単な判断基準から、お話します。
「他の仕事も、並行して続けてゆきたい」と考えている方は、「兼業」でOKです。専業になる必要は微塵もありません。
難しいのは、「専業」を希望する場合です。
そこであなたは、専業トレーダーになる為に必要な収益の目安を考えたことはありますか?
例えば、一月に30万円あれば生活が出来るとしましょう。
その30万円をトレードで稼けばいい、という考え方は間違っています。
なぜなら、
どこかにお勤めの人ならば、労働対価として給料30万円を得ることでOKです。
勤め先が、様々な補償をしてくれているからです。
それがバイトやパートであっても、時間分の対価は支払ってくれるので、無駄はありません。
個人事業主や会社経営者であるなら、自分で仕事を作り出さなければならないことと、税金や福利厚生や将来の積み立て、万が一の事故なども考慮すると、倍の60万円を得ることで、お勤め人の30万円と同等になります。
専業トレーダーであるなら、自営業者としての負担がある上、経費がほとんど認められないので、トレード利益にほぼ近い金額に税金が掛かることになります。
しかも、社会的な信用はかなり低く、ローンを組むにしても家の賃借をするにしても、厳しい条件が課せられるというより、全て通らないはずです。
物も家も、現金一括で購入するほかなくなります。
ドローダウンや万が一の大相場に巻き込まれての損失を考慮して、100万円稼いでやっと、30万円のお勤め人と同じくらいの生活が出来ると言えます。
つまり、専業トレーダーになるには、毎月100万円以上の利益を上げられるようにならなければ、難しいと考えてください。
よしんば、あなたの頑張りが実って100万円を裕に稼げるようになり、専業になったとしましょう。
トレード以外の収入元を絶ったことによってメンタル負荷がかかり、パフォーマンスががくんと落ちる、ということも有りうります。
実社会とのつながりがあった方が、メンタルが安定するという場合が多いようです。
専業でやり続けられる実力があっても、人恋しくなって、外部の仕事に復帰する人もいるくらいです。
専業トレーダーになる場合は、いくつもの保険(貯金や復帰できる職場)をかけておくことをお勧めします。