「フィボナッチ Fibonacci」は、黄金比を相場に応用して、価格推移の押し戻りポイントを割り出すインジケーター(指標)です。
移動平均線やMACD等のように、チャートに入れてしまえば自動的に表示されるタイプのものとは違い、その都度、自らの手で、100%~0%のポイントを決めて設定します。
また、インジケーターの中では数少ない「縦軸」基準の指標になります。
目次
フィボナッチ数列と黄金比
フィボナッチの使い方の前に、フィボナッチ数列と黄金比について、簡単に説明しておきましょう。
フィボナッチ数列は、
0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,987,1597,2584,,,,,,,
と続き、最初の2項 0, 1 を足すと3項目になり、以降どの項も、その直前の2つの項の和となっているというものです。
図で表すと、このようになります。
1:1.618
この数値は「黄金比」と呼ばれ、最も美しい形状の比率とされています。
このように自然界には、フィボナッチ数列で構成される事象が多く見られ、自然界の神秘を感じると共に、物質世界は黄金比が法則的に作用しているという考え方が出来、この性質は相場のパターンにも表れています。
フィボナッチ・リトレースメントのレベル設定
MT4(チャートシステム)の中には、デフォルトで6つのタイプのフィボナッチがありますが、この記事では、最もポピュラーな、「フィボナッチ・リトレースメント(Fibonacci Retracement)」をご紹介したいと思います。
- フィボナッチ・リトレースメント
- フィボナッチ・エクスパンション
- フィボナッチ・タイムゾーン
- フィボナッチ・ファン
- フィボナッチ・アーク
- フィボナッチ・チャネル
フィボナッチ・リトレースメント(以後略してフィボナッチ)は、計りたい波幅(値幅)によって縮尺が変わりますので、その縮尺率の中、何%の値にどの価格が当たっているか? で、売り買いの価格、または、目標・損切り価格を見つけます。
100~0%内の、半値の50%、そして、黄金比の61.8%(と対になる38.2%)を、最も意識する数値として設定するのが基本(赤フィボ)ですが、使い手によって、意識する%が違いますので、緑フィボのように増やすことも可能です。
数値の設定変更と追加は、フィボナッチのプロパティで出来ますので、以下の画像をご参照ください。
フィボナッチ・リトレースメントの活用法2パターン
相場は大枠、トレンド期間3割、レンジ期間7割、で構成されています。
それに合わせて、フィボナッチの使い方も、トレンド中とレンジ中とで、使用の仕方が異なりますが、
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価格の移動のエネルギー(波)の、始まり・終わりと考えられるポイント(価格)に、フィボナッチを当てるのは共通です。
フィボナッチの数値は、動きの始まりが100%、終わりが0%になりますので、間違えないようにしてください。
そこから、61.8%(黄金比)まで戻って、0%より先に延びてゆく動き(トレンド)を見つけることが、最初に勉強する基本的な使い方になります。
その反対に、レンジ中は、内側に目標を立てることから、「インナーフィボナッチ(Inner Fibonacci)」と呼んでいます。
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フィボナッチを扱う上で、最も注意をしなければならないことは、「フィボナッチは相場の方向を教えてくれない」ということです。
トレンド方向とレンジ突入の見極めは、あくまでも他の指標と分析で行い、その判断の上でフィボナッチを当てて、押し戻りの深さを計り、伸び止まる位置を探ります。
フィボナッチを使いこなせれば、一騎当千の戦力!
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冒頭で述べたように、フィボナッチは他のインジケーターと異なり、自分の判断で100~0%の位置を決定しなければなりませんので、どのポイント(価格)に当てるかによって、結果がまったく変わってきてしまいます。
「どの値(%)が、どういう意味を持って機能するのか?」の研究も必要です。
また、前項で、フィボナッチは方向を教えてくれる性格のものではないということを、注意事項としています。
つまり、相場環境認識が出来ないトレーダーが使用すれば、まったく機能しないということになります。
ただし、使いこなせるようになったなら、「フィボナッチが無くては、もうトレードが出来ない!」というほどの、強力な武器になります!
熟練者になってきますと、フィボナッチを当てずとも、パッと見て、押し戻りの位置が分かるようにまでなります。
あなたも、その黄金域まで行ってみませんか?