トレードの実務的な作業には、淡々とした、感情のないルーティーンが求められますが、トレードの知識と技術を会得するまでには、相当な想いのエネルギーが必要です。
しかし、世に言う「情熱、ヤル気」というのは、実は邪魔にしかなりません。
「絶対にトレードで食っていくぞ!」という想いが強ければ、真剣に相場の勉強をするでしょう。東大にでも入る勢いでやるでしょう。
「なにがなんでも、トレーダーになるぞ!」という想いが強ければ、プロトレーダーとしてのメンタルを作る方法も学ぶでしょう。心理学者にでもなる勢いでやるでしょう。
しかし、「自分はこんなに強く願っているのに、なかなか上手くいかないのは、なぜ?」という方へ、
相場心理学の不朽の名著「ゾーン」の著者マーク・ダグラス氏が、あるセミナーで語っていた言葉をご紹介致しましょう。
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人が水の中で溺れた時、苦しみの中、願うことはただ一つだ。
次の一呼吸をすること。
それ以外に何も考えていないし、望んでもいない。
100%、空気を吸うことしか頭の中にはない。
本気で願うとはこういうことだ!
このくらいの切望感を持って、相場にあたっているだろうか?
トレードの勉強をほったらかして、他の楽しみを優先する日はなかっただろうか?
空気を吸うために必死、というニュアンスもありますが、自分がトレーダーになることは空気を吸って生きるのと同じ感覚でないと続かないと、私は考えます。
がんばって時間を作らなくては、トレードの勉強をする時間が取れない、というのは、空気にはなっていないですよね?
トレードは研究職ですから、気が付いたら相場分析に没頭している、という類の作業です。
気合を入れなくては続けられないもの、その日その時のモチベーションによって変わるものであっては、達成は難しいです。
まだ勝てない時期であっても、そこに苦悩することなく淡々と続けられるからこそ辿り着ける境地です。
期待をかけるものが思うようにいかない時には、落胆や絶望を感じることになります。
そんなメンタルのブレは必要ありません。
事実、トレードを執行するのに感情の起伏は「悪」でしかありません。
トレードで勝てるようになる為の想いのエネルギーは、燃えるような火の情熱ではなく、澄んだ空気の呼吸であることです。
FXトレーダーを志すなら、この書籍だけは読んでもらいたいです!