FXトレーダーの真実の姿を知る

FXトレーダーとは、為替取引を行って利益を得る事を目的とした者ですが、この記事では、角度を変えて、その本質を解き明かしてゆこうと思います。

FXトレードは「世界最大のオンラインゲーム」

トレードを一括りに投資と表現することが多いですが、実際 FXトレードは投資ではなく「投機」というカテゴリーになります。

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「投資」が長期的な視野で資金を不動産や企業や金融商品に投じる行為を意味するのに対して、短期的な価格変動を利用して利鞘(りざや)を得る行為を「投機」と呼びます。

「FXでもスイングだったら投資になるのでは?」と考えられている方、少なくとも半年、年単位を見越しての売買でない限り、それは怪しいです。

また、レバレッジを掛けているのなら、自分の意志と関係なく強制ロスカットが執行されるので、1倍(現物買い)取引が前提になるでしょう。

経済の仕組みを知り、将来的にお金に困らない思考回路の素地が作られるので、投資を学ぶことは一般的にも大切です。

投機(FX)も、投資の知識を持っていないことには始まりません。

しかし、FXなどの投機トレードの技術を学ぶことは、また別の話になります。

知識だけではどうにもならない「反射神経」が必要になってくるからです。

    言い換えると、アクション系のTV・NETゲームをプレイする時のコントローラーさばきのようなものです。
    そのゲームの攻略本を読んだり情報を取り入れて、頭の中の作戦はバッチリでも、実質的な運動(ボタンをプッシュする)能力が劣っていたら、負けます。

インターネット取引が主流となった今や、為替相場は、世界最大規模の参加者が集う、オンラインゲームと言えるでしょう。
きなこ@uさんによる写真ACからの写真

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相場参加者とは
インターバンク市場(銀行間市場)で取引を行う金融機関と、外国為替取引を行うすべての法人、個人に区分されます。
一般的に外国為替市場と言う場合には、銀行間市場を指しますが、この記事ではこの両方を指しています。

投資の知識プラス、刻一刻と状況が変化する相場のスピードについてゆける投機の反射神経を磨くこと。

何の資格試験もなく、簡単な審査だけで、しかも少額の参加費(証拠金)で、世界選手権に参加できてしまうのが、このFXトレードです。

    バスケットボールのボールを持っているからといって、何の練習もせずにNBAリーグコートに上がれば、アッという間にマイケル・ジョーダンにボールを奪われるのと同じことが起きます。

相場参加者は全員、自分が儲けることに真剣ですので、実力差があるからといって手を抜いてはくれません。

そこを認識して取り組まないと、せっかく貯めた資金をアッという間になくすことになります。

    若いうちはやり直しがきくかもしれませんが、年齢が高くなってからですと、用意できる資金が大きくなる上、それを飛ばしたらリカバリーしづらいと思いますので、より慎重になって取り組んでほしいと思います。

相場に参加した時点で、そこは世界選手権会場なのだということを心得て、FXトレーダーという職業を認識してください。

「億トレーダー」も「お小遣いトレーダー」も、同じ勝ち組

さて、FXで年間千~億万円を稼ぎ出しているトレーダーも、生活費程度、お小遣い程度のトレーダーも、安定して収益を上げているのなら、まとめて勝ち組トレーダーです。

全体の95%は勝ち越すことが出来ないのですから、稼ぎ方がどうであれ、5%に入る勝ち組トレーダーという括りになります。

トレードを始めた目的は人それぞれだと思いますので、その目標を達成できればよいのです。

収入の多寡を、他の誰かと比較しないこと。

これをやっている人は、いつかどかんと負けを食らいます。

比較するなら、95%組と5%組の違いを研究するに限ります。

しっかりと自分の手法やルールを見つけたなら、自分の生活と性格に合った資金管理でもって、淡々とトレードを行うことです。

「トレードの技術を身につければ、全てを失ってもやり直せる」は嘘

トレードを学び始めた理由は人それぞれだと思いますが、大枠「何にも依存しない独立した経済の確立」といったところでしょう。

時間にも場所にも縛られず、わずらわしい人間関係もありません。利益を上げるのも失うのも、すべては自己の責任のもと。

通信回線とパソコン一台があれば(スマホでOKの人もいますね)、世界中どこででもトレードで稼ぐことができます。

それなりに自信をつけた、某トレーダー氏はこう言います。

「万が一全てを失っても、10万円の証拠金があれば、この自分のトレードテクニックですぐに復活できるよ、10万円くらいなら友達に借りてでもなんとかなる金額でしょ」

人間関係も良好なら、10万円どころか100万円くらいは貸りる宛てがあるかもしれません。

でもこれは、「全てを失った」というほどの状況を想定できていない者の言葉だと思いませんか?

    住む場所を追われた状態。

    通信回線も自分名義では持つことが出来ない状態。

    証券口座を自分名義で開くこともできない状態。

こういうのが「全てを失った」ではないでしょうか?

こうなってはトレーダーなんて、まったくもって役立たずです。

そして、人生のどん底を味わっている最中にメンタルが安定しているわけもなく、そんな時にトレードをやったって「稼ごうとする焦り」がさらなる惨敗を招いてくれるでしょう。

ですからトレーダーは、最低限の文化的な生活と労働の上に乗せさせてもらっている職業なのだという、謙虚な気持ちを持つことが大切です。

昨今のコロナ禍による新しい世界は、FXトレーダーが最も活躍できる舞台だということに感謝しなければなりません。
これが戦争に巻き込まれたり、天変地異ならば、トレーダーは廃業です。