FXに限らずトレードを職業にしたいなら、絶対に読むべき書籍が3タイトルあります!
トレーダー界、不朽の名著。
「デイトレード」
「ゾーン」
「ゾーン 最終章」
これらは、トレーダー心理に言及したもので、相場の世界でプロとしてやっていくためのマインドセット法が書かれています。
テクニカル手法については人それぞれですが、プロトレーダーとしてのメンタリティの作り方は全トレーダー共通ですので、熟読&再読必須です。
各書籍の章題がその内容を一目瞭然に表していますのでご覧ください。
目次
デイトレード
オリバー・ベレス / グレッグ・カプラ 著
- 第1章 トレーディングの勝者への誘い
熟練したトレーダーの世界を理解する - 第2章 優れたトレーダーへの精神修行
トレーディング行動を修正する鍵 - 第3章 「逆境」と「損失」
トレーディングで成功するための必須条件 - 第4章 真の勝者を目指すトレーニング
失った時間とマネーを取り戻すために - 第5章 トレーディングにおける7つの大罪
いかに戦い、打ち勝つか - 第6章 熟練トレーダーへの道
成功をつかむための12の法則 - 第7章 究極のトレーダーの秘密
すべてのトレーダーが知るべき15の掟 - 第8章 10の教訓
究極のトレーダーになるために - 第9章 究極のトレーダーからの最後の言葉
全米最強のトレーダー養成機関プリスティーン創設者のオリバーとグレッグ。
この二人の著者は、方やこれから成り上がろうと投資を始め、方やすでに成功者でありながら、その先を目指そうと投資を始めたという、まったく正反対の経路でトレーダーを志したのがよい対比になっており、なにより、彼らが常勝出来るようになるまで6年の歳月がかかっていることが非常に興味深いです。
いや、興味というよりは、シンパシーを感じると言った方が適切だと思います。
トレーダー界の巨匠も、私たちと何ら変わりはなかったという安堵と、学ぶ方向性さえ間違わなければ彼らのようになれるという希望を示してくれます。
これだけの歳月をかけることになったからこそ、相場心理学の重要性を肌で感じ、「本質的にトレーディングの8割以上が精神的なものである」と言い切れるわけで、大きな財産を失うことに始まり、一般的なトレーダーの悩みはすべて経験済みという二人。
分析作業より精神修行の方にプライオリティがあると教えることが、トレーディングコーチ・トレーナーの仕事として最も求められるものであり、それを教えないトレーナーは疑ってかかるべきであるとすら言い切っています。

本書のこうした姿勢から、私自身がトレーダーとしての考え方を身に着けるだけでなく、コーチングをする際のポイントも知りえることが出来たという、二重の意味で優良図書であると捉えています。
とにかく初心者ならば、相場の世界がどれほど難しく、達成したなら、どのくらい世界が変わるのかを知るために、本書を読んで頂きたいです。
すでに何年も勉強をされている方には、今まで自身が陥っていた状況が全て書かれているので、ぜひ読んで苦笑いをして、改善策を講じて頂きたいです。
ゾーン
マーク・ダグラス 著
- 第一章 成功への扉 -ファンダメンタル分析か、テクニカル分析か、それとも心理分析かー
- 第二章 トレードの誘惑(そして落とし穴)
- 第三章 責任を取る
- 第四章 一貫性 -心理状態-
- 第五章 認識の力学
- 第六章 マーケットの観点
- 第七章 トレーダーの優位性 -確率で考える-
- 第八章 信念の役割
- 第九章 信念の性質
- 第十章 信念がトレードに及ぼす影響
- 第十一章 トレーダー的思考法
トレーダーであり、あらゆる金融取引プロフェッショナル向けのコーチ&アドバイザーであるマーク・ダグラス氏も、やはり苦渋の年月を経ることにより、トレード界の名著を生み出しました。
そんな彼による、相場心理学入門と銘打たれている本書ではありますが、処女作は「規律とトレーダー」で、この「ゾーン」は次作になります。
「ゾーンは難しい」と、よくトレーダー間では言われていますが、「規律とトレーダー」の方が、より難解なので、日本では「ゾーン」の方が先に訳され、「規律とトレーダー」は「ゾーン」の売り上げが立ったことにより、後追いで訳されました。
「規律とトレーダー」が難解であるワケは、あくまでも私の推測ですが、心のエネルギーや潜在意識の世界や宇宙の法則など、スピリチュアルともとれる内容に満ち溢れているからだと思います。
実際、トレードとはそういうものにダイレクトにつながった世界であることを、私自身、心底知るところとなりましたが、一般の目には現実的であるはずのトレードにその色が濃い解説が延々続くと、いったい何の本を読んでいるのかが分からなくなってしまうのでしょう。
なので、読み物としての分かりやすさ、クオリティという面で、初作の反省点を修正し、より一般に分かりやすく著した「ゾーン」の方が、トレーダー界のベストセラーになったのは自明の展開です。
また、トレードとは関係ない生活面での様々な具体例を挙げて、心理、信念、潜在意識の傾向とその扱い方を教えてくれているのが秀逸です。



「デイトレード」がプロトレーダーになる為の心構えを教えてくれるものだとしたら、この「ゾーン」は潜在意識レベルから矯正し、プロトレーダーとしての心の枠組みを作り上げるためのロジックを叩き込んでくれるテキストであると言えます。
ゾーン 最終章
マーク・ダグラス / ポーラ・T・ウェッブ 著
- <第1部>
- 第1章 着実な成果を上げるためにはプロのように考える必要がある
- 第2章 トレードに影響する複雑な心理
- 第3章 相場分析は着実な成果を上げるためのカギではない
- 第4章 値動きの仕組み - 結局は注文の流れ次第
- <第2部>
- 第5章 トレードの仕組み
- 第6章 売買注文の片寄を生むさまざまな市場参加者
- 第7章 売買注文の流れからテクニカル分析を理解する
- 第8章 テクニカル分析に固有の限界
- 第9章 「分析に対する幻想」を理解する
- 第10章 確実に損失を避けて勝つために分析に頼っても行き詰まる理由
- <第3部>
- 第11章 トレードの世界ではモノの見方・考え方が主要なスキル
- 第12章 着実に成果を上げるための精神的な基礎
- 第13章 スロットマシンプレイヤーの視点
- 第14章 分析に基づいて値動きに掛けるトレーダーはギャンブルをしているのか
- 第15章 復習
- <第4部>
- 第16章 確立に基づく考え方を身につける
- 第17章 メカニカルトレード
- 第18章 裁量トレード
- 第19章 直観的トレード
- 第20章 トレード日誌をつけることの重要性
多くのトレード関係者に惜しまれつつ、マーク・ダグラス氏は2015年に死去されました。享年67歳。
彼からの遺言と位置付けられるのが、本書「ゾーン 最終章」です。
妻でありビジネスパートナーであったポーラが、加筆構成して近年リリースされました。
私の感想としては、初心者はこの「ゾーン 最終章」から読む方が、相場を知るための近道であると感じます。
というのは、トレードとは具体的に何を行うものなのか?が書かれているからです。
初心者にはマストである、トレード日記をつけることの大切さを一番最後の章にもってきていることからも、初心者はまず何を優先すべきかを記憶に残させようとしてくれています。



本書で確率論的メカニカル・トレードの重要性を知り、その上で最初の「ゾーン」を読んだ方が、より心に浸透しやすいと思います。