相場の世界に1年以上いらっしゃる方なら頷けることと思いますが、トレードは自分の性格と生活がダイレクトに反映されるものという事実があります。
多くの人は、心と体は別物と捉えがちですが、心も体も同じ脳が支配していることに気付いてほしいのです。
脳の命令で肉体が動かされます
モノの考え方が行動に現れます
行動パターンが人格を造ります
肉体が感知した信号が脳に影響を与えます
感情や思いが肉体に現れます(緊張すると顔が赤くなる等)
これを前提に、トレーダーとしてしかるべき行動を取るための生活習慣の身に着け方を、具体例を挙げてお伝えしたいと思います。

目次
外部チェック機能がない世界
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「車の運転」を例に挙げてみましょう。
交通ルール違反は、一般の善良な人でも簡単に犯しがちな法律違反です。
「警察に見られていなければ」「ちょっとだけなら」という気持ちで、ついやってしまいがちです。
それでも基本的には、法は守る方向で運転をしていると思います。
それは、警察というチェック機能の存在があるからでもあり、自分自身が痛い思いをしたくもないし、交通ルールを守ることが車社会を円滑に機能させる方法だとも理解しているからです。
「でも、たまになら…」という悪魔のささやき。
交通ルール違反をすることで得られる、ちょっとした利益(時間短縮等)に目がくらむのです。
警察という外部からのチェック機能があってもこうなのに、相場という自分一人きりの世界でこの癖を引きずっていたらどうでしょう?
「逆指値を入れなくても戻ってくるから大丈夫」「ルール無視のエントリーをしてもなんとかなる」なんてことをやっていたら?
交通違反もトレードも、いつかは破綻する時が来ます。
「実生活とトレードは切り替えるから大丈夫!」という、反発心をお持ちの方、切り替えがそんなに簡単なら、あなたはもう常勝しているはずです。
しないのはなぜか?
それは切り替わらないからです。
一事が万事なのです。
損切りをしなければ、しばらくの間はしのげるかもしれませんが、いつか必ず来る戻らない相場に遭遇して、すべてを飛ばして相場から退場することになります。
損切りをしないというスタイルは、資金を失う方向にしか進んでいないのです。
その他ルール無視のトレードも、同じくです。
- 例えば「物を大切にしない」という性質。
職場で、「商品や備品は大切に扱いなさい」と注意されることにより、また、破損させて弁償させられたくないために、器物は大切に扱うようになるかもしれません。
しかしこのような、外部からのチェックや罰則があっても、ついつい扱いが粗雑な人がいます。
「物を大切にしない」という性質を変えない限り、この人は次から次へとその性質に由来する問題を起こしてゆくことになります。
そして一見、職場では全てきちんとやるようでいて、私生活が乱れている人も同じです。
これは、要領の良さなど、気を付けられる範囲が少し広いというだけで、「他人が見ていないところで素が出る」という現象は同じようにおきます。
繰り返し言います。
トレーディングを執行する時、その作業にかかわるのはあなた一人だけです。
あなたの「素」がそのまま、雑なトレードという形で反映することになります。
精神活動そのものが労働
トレーダーに必要なのは、身体面ではチャートを見るための視力とマウスをクリックするだけの体力があればよく、ほとんどが頭の中で完結してしまいます。
トレーディングは、精神活動そのものが労働に値するという稀有な職業なのです。
ですから、トレーダーにふさわしい「心の形」を形成していることが大切です。
- 「一貫してルールを守り抜く心」
- 手法通りのエントリー&エグジットを行う
- 相場の研究(勉強)を絶え間なく続ける
- 検証作業をしてデータによる裏付けを取った方法を採用する
- 資金管理を守る
- 準備を整えてからトレードを行う
- ミスをした時の対応策を用意する
トレーダーにふさわしい「心の形」とは「一貫してルールを守り抜く心」のことです。
どんな仕事にも遊びにもルールはありますが、最初に述べたように、トレードは外部からのチェック機能がない世界なので、自分自身の中で完璧に自制できていなければなりません。
日頃からの考え方や行いがそのままトレードに反映されますので、未だ上手くいっていない人は、生活習慣そのものを見直す必要があります。
例えば、
飲みすぎ食べすぎをやめる
適度な運動をする
交通違反をしない
浮気をしない
喧嘩をしない
文字を丁寧に書くよう心がける
服装に気を遣う
言葉遣いを正す
掃除をマメにする
等々(詳しい理由はこの後「生活習慣矯正例とその理由」にて解説)
上記の例えは、一般的な常識としても、そうした方が良いものではありますが、出来なくても、それはそれで人間味だとか、人生の醍醐味みたいな話で済んでしまうのが一般社会です。しかし、
生活習慣がそのまま現れてしまうトレーディングにおいては、これらを正さないと、ずるい自分、自制心のない自分が、しっかりとトレードの邪魔をしてくれます。
もしこれが、融通のきかないつまらない話に聞こえてしまうのなら、別の職業を選ぶと良いでしょう。
無理にトレーダーになる必要はないと思います。
「バットを振るのは嫌だけど、野球選手になりたいです」と言われてるのと同じだからです。
トレードという作業は生活習慣がそのまま反映されるという性質を持っていることに納得してくださった方、いまひとつ理解しがたいけど信じてみようかなという方は、この先に進んでください。
生活習慣矯正例とその理由
飲みすぎ食べすぎをやめる
暴飲暴食は、欲望の制御が出来ないことの代表格です。
相場の世界で欲望の制御が出来ないと、どうなってしまうか解りますよね?
節制する = 規則正しいトレード
ですので、肉体の健康維持の一環として、
適度な運動を習慣にする等も、取り入れたいですね。
交通違反をしないと同じジャンルになりますが、
浮気をしない
バレなければ大丈夫というルール違反をする癖があったら、トレードにおいては、ストップを外してしまったり、ルール無視の根拠のないエントリーをしてしまいます。
また、罪悪感が伴っている場合、潜在意識はそんな自分を罰しようと、心の在り方がダイレクトに出る相場で罰を受けさせます。
つまり大損失を被ります。
ただしこの浮気という行為は複数の関係をNGとする環境の話で、一夫多妻、一妻多夫、または乱婚が認められている国や時代であれば、トレードには影響しません。環境ありきのルール違反であり、罪悪感の元と言えます。
例えば、配偶者に対しても愛人に対しても、嘘をつかずに複数人との交際をすることを認めてもらうのなら、なんら問題はありません。納得させる実力もなく、誰かにこそこそしている状態がダメなのです。
喧嘩をしない
喧嘩をして気分すっきりなんてことはないですよね。
イライラして、そちらに気が行っている状態では十分なパフォーマンスは期待できません。
その喧嘩に罪悪感が伴っていれば、相場で罰を受けることにもなってしまいます。
また、喧嘩が多い人は感情的であり、相手を自分の意見に従わせようとする心の癖が強いので、相場に沿うことも困難です。
相場の動きが自分の意に反した時、カッとなり起こす行動は?
もしつい喧嘩をしてしまったら、まず先に問題解決してからトレードを行うくらいの余裕を持つことをお勧めします。
文字を丁寧に書くよう心がける
殴り書きをしても文字ですが、文字は他者とのコミュニケーションツールの一つです。
他人が理解しやすく書くことを心がけるのが思いやりです。
それは相場を丁寧に扱えるかどうか? に現れます。
服装に気を遣う
外出時ももちろんですが、パソコンの前でトレードをする時にも整った服装で取り組む気持ちが大切です。
トレードは仕事である、ということを肝に銘じることが出来ます。
服装に気を使うということは、相手先や同行する者に対しても、失礼のないようにするという思いやりでもありますので、文字を丁寧に書くのと通づるところがあります。
言葉遣いを正す
常にガチガチの丁寧語でという意味ではありません。
大人として許容の範囲ってありますよね。
立ち居振る舞いをきちんとする = 綺麗なトレードを行う(乱れたトレードを好まない)
という習慣が身につきます。
掃除をマメにする
身辺を奇麗に整えておけば自分自身も気分が良いし、チャートの準備を整える作業を当然のように行えるようになります。
部屋が散らかっていて気にならない人は、大概いらぬインジケーターを外せず、チャートもごちゃごちゃしていますね。
分析に悩む羽目に陥りがちです。
それでは最後に、私445が実際に採用した生活習慣矯正メニューをご紹介したいと思います!
445が実践した生活習慣矯正メニューとその効果
外出着に着替えてからトレードをする
勉強や検証作業中も、服装を整えて取り組むようにしたところ、寝ぼけ眼での慌てたトレードが無くなりました。
仕事であるという意識が高まりました。
参考
第1話「相場に敬意を!」445FX漫画blog
交通ルールを厳密に守る
ルールを厳守するのは当然として、特に黄色信号の扱いを繊細に行うようにしました。
黄色信号だとついアクセルを踏みがちだったのですが、黄色で減速&停止を心がけるようにしたら、トレード上での飛びつきが無くなりました。
また、急がば回れのルート走行を心がけるようにしたとことろ、近道を狙いつつも、結局は時間とお金の浪費をしてしまう「ちょっと稼いでやろうエントリー」がなくなりました。
参考
第6話「トレーダー脳 ①」445FX漫画blog
郵便ポストを毎日確認する
それまでは、2週間くらい平気でポストを開けない人だったのです。
おかげで、郵送で来たお知らせ等の処理が後手後手に回りがちでした。
そういう習慣がトレードにも出ていることに気がつき、ポストの確認をまめにするようにしたら、トレードにおいても改善されました。
参考
第19話「声出していこー」445FX漫画blog
筋トレをする
運動が大嫌いなので、まったくといってよいほど体を鍛えることをしていませんでしたが、脳の活性化と健康の維持のために、スクワットやストレッチを毎日欠かさず行うようにしたところ、健康であることはもちろん、プロポーションの向上による満足度が、自己肯定感を高めてくれるようになり、自分をより好きになり、苦手だったはずの運動を継続できている自分を、より信じられるようになったことが、メンタルの安定につながりました。
参考
第5話「これはアリですか?」445FX漫画blog
というわけで、トレーダーも十人十色ですので、自分自身としっかり向き合って、自分に必要な矯正メニューをみつけてみてください!
相場心理学を説いた書籍をまだ読んだことのない方は、下のリンクからどうぞ。